風は頁をめくるが 読むことはできない

 川沿いを歩いていて見つけた古本屋さんです。

 「風は頁をめくるが 読むことはできない」というキャッチコピーが書かれております。「うつぎ書房」さんというお店で、店名は縦看板に書かれているのみというのが中々粋な感じです。

 建物は二軒続きの長屋でお隣は「焼肉ジュージュー苑」さんという焼肉屋さんでした。こちらはイイ味のフォントと店名です。

 焼肉の煙や臭いが本に付かないのかが少々心配になりましたが、佇まいから想像するに双方長く営業されている様でそのあたりは上手に対処されているのでしょうね。


料理先生

 たまに寄らせていただく中華の麺料理の店に貼り出されていました。「ガチ中華」とまではいかないまでも中国の方が経営されています。

 「最近、弊店に料理先生が不足の原因で、炒め料理と前菜の販売を一時休止させて頂きます。」とのことです。「料理先生」という表現が新鮮でした。料理されるのは男性なのですね。

 こちらのお店は店員さんがいつも親切であり、慣れないながらも日本語で丁寧に告知されたのも、そのサービス精神からかと思うと「料理先生」が微笑ましく思えます。

 今年初の投稿ということで、ほのぼのとしたものを挙げてみました。


ここは乙女1丁目

 散策していてたまたま見かけた電柱広告の住所表記です。

 「ここは乙女1丁目」とあります。すっかり社会人生活も長くなり、ビジネス用語の所謂「一丁目」と合わせて「乙女のスタート地点」や「乙女の最重要項目」について考えてしまいました。近くにあった地図などで確認するとどうやら乙女2丁目や3丁目もあるようです。

 なおこの近くには「会津征伐」「小山評定」「日光普請」などで活躍した思川水運の中継地点「乙女河岸」跡があります。「乙女」という地名自体、思川に臨む崖縁であることが由来の様です。
 折角なので散策をしてみます。

 乙女中学校です。ちなみに乙女小学校も存在します。他校生徒と喧嘩になり「お前どこ中だ!?」と聞かれても正直に答えづらい校名ですね。不良生徒はいないことを祈りたいです。校章が思った以上に可愛らしいです。

 乙女不動尊です。いつも怒りの表情の不動明王と乙女の組み合わせが何とも言えません。

 「アニメート 桜」というアパートがありました。これは乙女らしいですね。「乙女1丁目のアニメート 桜」という住所は中々良いと思います。

 乙女1丁目でビジネス用語の「一丁目」を連想してしまった私は、「一丁目一番地」の住居表示版も確認して参りました。
 他にも奈良時代に建立された下野薬師寺の瓦窯の跡があったり、市立の博物館や美術館があったりと「乙女」は文化的に充実した町でした。

 このブログをご覧の皆様も良いお年をお迎えください。


激ウマ肉付き骨煮込定食

 ガチ中華の新しいお店で見かけました。

 「激ウマ肉付き骨煮込定食」とのことです。「肉付き骨」という表現が新鮮でした。

 「A付きB」という言葉は「庭付き一戸建て」「飲み放題付きコース」「キャスター付きワゴン」「屋根付き駐輪場」等々「B」に重きを置くので、通常の日本語では可食部の「肉」に重きを置いて「骨付き肉」とすべきなのでしょうけれど、そもそもが「卤骨头」(骨の煮込み)という料理なので、「激ウマ肉付き骨煮込」までで「A付きB」だと考えて「骨煮込」に重きを置くのが正しいのだろうかと立ち止まって色々と考えてしまいました。

 「激ウマ」という表現は現代日本人に寄せた感じですね。

 因みに「钻研卤骨头 30年」とあり、骨の煮込みを研鑽して30年になるとのことです。


いつも一生懸命。ただそれだけです

 素朴で好感の持てる看板とキャッチフレーズです。

 「いつも一生懸命。ただそれだけです」とのことです。「タフクリフォーム」さんという外壁塗装を中心としたリフォームをされている会社の看板で、職人さんらしい実直な感じがとても素晴らしいです。技術に自信が無いと出せない言葉ですね。

 看板右側の縦一列の穴は恐らく電球のソケット群と思われ、この看板が夜に光っていたところも見たく思いました。


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