看板ネタ 一覧

一番人気のある婦人雑誌

 突然ですが問題です!「一番人気のある婦人雑誌」は何でしょうか?

 正解は『婦人生活』のようです。(上の画像をクリックしてください)
 『婦人生活』(1947-1986)は『主婦の友』(1917-2008)・『婦人倶楽部』(1920-1988)・『主婦と生活』(1946-1993)と共に「四大婦人雑誌」とされていたようですね。しかし1986年には休刊となってしまっているため、この看板が作られた時代が相当古いことがわかります。

 こちらのお店は成田書店さんとのことでした。本や雑誌の他にカードゲームも扱っていたようで、良妻賢母を目指すような昔の婦人雑誌推しの姿勢とはミスマッチ感がありますが、看板に書かれた「花札 トランプ 成田書店」という言葉の並びは「叩いて被ってジャンケンポン」「ラーメン・つけ麺・僕イケメン」「明日は明日の風が吹く」「墾田永年私財法」の様なリズムとセンスの良さを感じます。


フアンデイシヨン ママさん

 母の日が近いという事もあり、商店街で見つけたこちらの看板を。

 「フアンデイシヨン ママさん」とあります。「ファ」(外来音)や「ショ」(拗音)の文字も全て同じ大きさで書かれており、中々イイ味が出ています。「ママさん」の「ん」の文字も手書き風味でイイですね。

 何よりお店の名前がとても良いと思います。どんな化粧品を使ってよいのか迷う乳幼児の子供を持つお母さんを、お店の方が「不安でしょう?」とお助けする姿が頭に浮かびました。


アメリカンニュースタイル

 お店の名前も、キャッチフレーズも、フォントも、色使いも、全体的な佇まいも、何もかも素晴らしい看板でした。

 「アメリカンニュースタイル」の、「やまいちパーマ」さんです。

 美容院が親しみ込めて「パーマ屋」さんと呼ばれていた頃に開店したお店でしょうか。となると、この「アメリカンニュースタイル」は1950年代や60年代のスタイルになるのかもしれないですね。

 「パーマ」はしっかりとしたフォントである一方で、同じカタカナの「アメリカンニュースタイル」のフォントが不揃いなところが可愛らしいです。また「やまいち」さんの部分が手書き風味で紫色なのは渋いですね。

 お店の全景です。看板同様に中々渋くて良い雰囲気です。1階の窓やドアはサッシではなく木枠のままで残っております!

 しばらくタイムスリップした感覚に囚われるくらいの良い散歩となりました。


関係者以外立入禁止の地下街

 有名観光地近くのレトロなビルの地下街入口で見かけた看板です。フォントもビル同様レトロでイイ味が出ているのですが・・・

 そこには「当ビルの関係者以外の立入を禁ず。」と厳しめのお言葉がありました。地下街への入口なのに(´・ω・`)ショボーン

 もう一つ「浮浪者の持込品等は全て廃棄処分とする。」というのも時代を感じさせる言い回しの厳しいお言葉です。

 関係者でないながらも地下街に入らせて貰ったところ、これまたレトロな喫茶店やカラオケスナックが営業されておりました。個人的には厳しい拒絶の文言と反し、可愛らしくダイヤ柄を用いた箇条書きのビュレットが気になりながら、こちらを後にいたしました。


高砂商店街群

 昨月関西に行った折、ずっと気になっていたこちらに寄って参りました。兵庫県高砂市にある商店街群です。

 こちらは1984年に廃線となってしまった国鉄高砂線高砂駅の東側に広がる商店街群で、高砂銀座商店街高砂本町商店街高砂センター街と連なります。現在はレトロな商店街ですが、江戸時代に加古川河口の港町として栄えた後、近年には近くに大きな工場が続けて建設されて大いに賑わったと思われ、そこかしこより往時が偲ばれます。

 『八画文化会館』Vol.8 の表紙にもなった本町商店街のアーチは可愛らしいですね。アーチのスポンサーが「播州信用金庫」だったり「但陽信用金庫」だったりと異なるところが縄張り意識を感じさせ面白いところです。

 とりわけ目を惹いたのが銀座商店街と直角に繋がる「高砂センター街」でした。

 アーケードに赤い提灯が並んで飾られ、商店の看板は昔のまま残されており、高度経済成長期にタイムスリップしたかのようなレトロ感が際立ちます。数店舗ご紹介いたします。

 パルファンのフランスパン「大塩屋」さんです。連続した丸い窓の建物は開店当時お客さんの目に大分お洒落に映ったことかと思われます。

 「あらいや食料品店」さんです。ソースを扱っていたり八百屋であることも謳っていたりと、スーパーの様なお店だったと思われます。「八百屋のあらいや」でなく「あらいやの八百屋」という謎のキャッチコピーや「今日もお買い物は」と書いてひねりを加えた矢印の看板が可愛らしいです。


 「栄光堂 濱口本舗」さんです。看板は開店当初のままずっとお使いだったのでしょうか。シャッターとの時代の違いが見えてきます。

 下は銀座商店街で良いなと思った看板です。


 おまけ1
 商店街群の外れに「梅ヶ枝湯」さんという銭湯がありました。Wikipediaにページが存在するくらいの有名な銭湯の様です。薪でお湯を沸かす様で良い香りが漂っており、薪を保管する倉庫が隣接しておりました。次の用事で入れなかったのが残念です。

 おまけ2
 高砂市は能の「高砂」由来で「ブライダル都市」を宣言しておりまして、先の本町商店街のアーチをはじめ、立て看板やポスターなど様々なところでアピールしておりましたが、こんなガードレールでも健気にアピールしておりました。

 センター街では酒屋さん、銀座商店街ではお惣菜を売る鮮魚店や喫茶店にお客さんが多く見られました。末永く続いていただきたいと思いながら、こちらを後にいたしました。

 今年は大分変わった年となりましたが、それなりに面白いネタにも出会うことが出来ました。このブログをご覧の皆様も良いお年をお迎えください。


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