昨年末で営業終了となった「外苑マーケット」に、その営業終了直前、見納めに行って参りました。
外苑マーケットは都営霞ヶ丘アパート6号棟の1Fにありまして、国立競技場でのサッカー観戦の際に散歩をしていて見つけたのが私の最初の出会いでした。「レトロでイイ味出している」というのがそのときの印象です。
『モヤモヤさまぁ~ず2』にも出たりしていましたね。
営業終了を知っていて訪れたわけですが、変わらず「営業中」の赤い幟がはためいていて、ちょっと感慨に浸ってしまう自分がおりました。
記念にキャベツとりんごを買って帰るのだとトートバッグを持って来ていたのですが、運悪く井上青果店さんが14時の休憩に入ってしまわれたところで、叶わずじまいでした。
残念がっていたのが目についたのでしょうか、同所で雑貨店を営んでいた甚野さんという方が話しかけてくださいました。
甚野さんはお店の中で年賀状を書かれておりまして、その手を止めて話しかけてくださっております。85歳だそうですが、とてもしっかりされておりました。
短いながらも色々なお話が聞けたのですが、開店当初の話、ここ数ヶ月で色々な媒体が取材に来ていて名刺がすごいことに(重ねて4cmほど)なった話、男ばかりの9人兄弟でお父様が監督の野球チームを結成され、とても強かった話(下図「父子ナイン」はこの話を題材とした漫画)
貴重なお写真を見せていただきながらの霞岳町の変遷と町内会のお祭りの話、がとても良かったです。
そんな楽しいお話を伺っていたのも束の間、甚野さんの「やはりねぇ、これで終わりというのは寂しいですよ」という一言で現実に引き戻されます。
記念に何か購入させていただこうとしたのですが、もう既にお店は閉めていて売れるものが無いとのことでした・・・。残念です。
閉鎖の日が近づいていても特別なことをするわけでもなく、店の前にやってくるすずめにお米をあげたり、住人同士で挨拶をされたり、普段どおりの生活をされているところが、最後に良いなと思いました。
年末の営業終了で終わりではなく、良い年を迎えられる様にと願いをこめて飾られたこの正月飾りには、涙腺が緩んでしまいます。
皆様長年お疲れ様でございました。お身体を大切に、いつまでも元気で幸せにお過ごしください。