看板ネタ一覧

広々として安い店

 中々趣き深いキャッチフレーズです。

 「広々として安い店」ボンソワールさんとのことです。「広々とし」たお店であり、接続助詞の「て」を挟んで、その広さから連想され感情や体感に訴求するような言葉(例「くつろげる」「心地よい」等)が続くと思いきや、広さとはあまり関係のない「安い」が続いたため、意表を突く展開にちょっと笑ってしまいました。しかしお店の売りを盛り込もうとされる姿勢は好きです。

 「Dance Snack」「レーザー・スナック」とスナックとしての特徴を2つ書かれているところも味があり、ここにもお店の売りを盛り込もうとされる姿勢が感じられます。グランドピアノが優に置けダンスができるくらい広いのでしょうね。「レーザー」は古のレーザーディスクのことだと思われ懐かしく感じてしまいました。今も稼働しているのでしょうか。

 そもそも店名の「ボンソワール」(フォントもイイ味出していますね)はフランス語の夜の挨拶なので、夜営業のみであることも表しており、1つで情報量の多い看板だと見入ってしまいました。私の好きなタイプのサービス精神の旺盛そうなお店です。


めあずみ

 地方の夏祭りで見かけました。

 「めあずみ」とあります。素朴で可愛らしい表示ですね。

 ひらがなで「あずみ」とあると小山ゆう先生の名作漫画『あずみ』が思い浮かんでしまいますが、おばあさんが営んでおり、表示通りの様々なフルーツの味付けがある平和なお店でした。


寿司の方

 今回のベトナム旅行で最も驚いたのが、日本語表記を目にすることが格段に増えたことでした。2023年にハノイ市に行った時にもほとんど見られなかったのですが、日本に来られるベトナムの方が急増したこともあり、ホーチミン市では馴染みのある言葉に昇格された模様です。所謂「キャズム(Chasm)超え」を体感したような気持ちになりました。

 下はスオイティエン公園のフードコートの例です。順に「スイティンへようこそ」「いただきます!」「しゃぶしゃぶ街」とあります。しゃぶしゃぶ街はネオンが消え「ゃぶ街」となってしまっていますが、公園のスタッフの方々が日本語を用いて異国情緒を出しながらお客をもてなそうとされています。

 そしてイイ味出していると思ったのがこちらのお寿司屋「寿司の方」 SUSHIWAY さんです。ベトナムの伝統的な日除け笠であるノンラーを被って斜め上を向いた魚のイメージキャラクタも可愛らしくイイ味出しています。

 お店は高級感ありそうな佇まいでした。|寿|司|の|方| と4つに分かれた暖簾がベトナム国旗に連なっているところもイイですね。お腹いっぱいで通りかかってしまい、食事できなかったのが残念です。

 日本人はまず付けない名前ではありますが、もう一つのお名前 「SUSHIWAY」で検索すると世界各国のお寿司屋さんがヒットします。こちらは海外では一般的なお寿司屋の名前なのでしょうね。

 少し続けます。


2025ベトナム プロパガンダコレクション その3

 最後はその他の看板を紹介していきます。

 ホーチミン師の生誕114年を記念する看板です。数字を変えて毎年掲げられますね。「党と人民の天才的指導者」と讃えられています。

 カール・マルクスの生誕207年、レーニンの生誕155年を記念する看板もありました。特に後者はあまり他の国では見られないものであり、改めて少し驚いてしまいます。

 フランスからの独立を決定づけたディエンビエンフーの戦いを記念する看板もありました。今年で71年とのことです。

 今回、プロパガンダ看板+オブジェといったタイプのものも見つけました。お神輿でも山車でもない様なのですが、これはこれでイイ味出しております。それぞれ「団結-知恵-刷新-発展」、「団結-民主-刷新-生産-発展」というスローガンが書かれています。

 「さて、このプロパガンバ看板文化は今後も続くのだろうか・・・」と考えながら歩いていたところでこんなものを見つけました。小学校のプロパガンダ絵画コンクールの様です。私たちが子どもの頃に「火の用心」や「納税」に関する絵を描かされたようなものでしょうか。プロパガンバ看板文化の将来も問題無さそうですね。

 また次の訪問時も新作を楽しみにしたく思います。


2025ベトナム プロパガンダコレクション その2

 お次は「国威高揚」「国力増強」系の看板です。

 先ずは、「南部解放国家統一 50周年」に加えメーデーの138年目を祝う看板です。ホーチミン市をスマートシティへと構築して行きましょうといった内容の看板です。

 類似の看板には下の様なものがありました。1975年の大勝利の価値を促進して、平和で発展し、国際社会に統合されたベトナムにして行きましょうといったことが書かれています。

 デジタル社会への変革を訴える大きな看板もありました。

 下はサイゴン駅に掲げられていたものです。昨年(2024年)末、ベトナム鉄道は株式会社となりまして、その第一期の決意が述べられています。党委員会の全面的な指導の下、絶えず革新し、効果的な協力を促進し、良質な製品を造り、戦略的な鉄道プロジェクトに備えますといったことが書かれています。生真面目ですね。

 学校にもありました。「清潔できれいで安全な校門」というスローガンの下に「先進的な教育に向けたデジタル変革」といった目標も書かれています。「デジタル変革」は至る所で見かけます。

 2月27日の医師の日を祝う看板がありました。国家発展の新たな要求に応えるべく、強力で質の高い知識人を備えるようです。

 「国威高揚」「国力増強」系の看板で今回私が独特で良いなと思ったのがこちらです。国際女性デー制定から115年を記念すると同時に徴姉妹(Hai Bà Trưng)の挙兵から1985年を記念する看板です。絵は完全に国際女性デー向きの内容はありますが、そこに徴姉妹を記念するのが面白いです。女性が強いベトナムならではの看板です。