看板ネタ一覧

寿司の方

 今回のベトナム旅行で最も驚いたのが、日本語表記を目にすることが格段に増えたことでした。2023年にハノイ市に行った時にもほとんど見られなかったのですが、日本に来られるベトナムの方が急増したこともあり、ホーチミン市では馴染みのある言葉に昇格された模様です。所謂「キャズム(Chasm)超え」を体感したような気持ちになりました。

 下はスオイティエン公園のフードコートの例です。順に「スイティンへようこそ」「いただきます!」「しゃぶしゃぶ街」とあります。しゃぶしゃぶ街はネオンが消え「ゃぶ街」となってしまっていますが、公園のスタッフの方々が日本語を用いて異国情緒を出しながらお客をもてなそうとされています。

 そしてイイ味出していると思ったのがこちらのお寿司屋「寿司の方」 SUSHIWAY さんです。ベトナムの伝統的な日除け笠であるノンラーを被って斜め上を向いた魚のイメージキャラクタも可愛らしくイイ味出しています。

 お店は高級感ありそうな佇まいでした。|寿|司|の|方| と4つに分かれた暖簾がベトナム国旗に連なっているところもイイですね。お腹いっぱいで通りかかってしまい、食事できなかったのが残念です。

 日本人はまず付けない名前ではありますが、もう一つのお名前 「SUSHIWAY」で検索すると世界各国のお寿司屋さんがヒットします。こちらは海外では一般的なお寿司屋の名前なのでしょうね。

 少し続けます。


2025ベトナム プロパガンダコレクション その3

 最後はその他の看板を紹介していきます。

 ホーチミン師の生誕114年を記念する看板です。数字を変えて毎年掲げられますね。「党と人民の天才的指導者」と讃えられています。

 カール・マルクスの生誕207年、レーニンの生誕155年を記念する看板もありました。特に後者はあまり他の国では見られないものであり、改めて少し驚いてしまいます。

 フランスからの独立を決定づけたディエンビエンフーの戦いを記念する看板もありました。今年で71年とのことです。

 今回、プロパガンダ看板+オブジェといったタイプのものも見つけました。お神輿でも山車でもない様なのですが、これはこれでイイ味出しております。それぞれ「団結-知恵-刷新-発展」、「団結-民主-刷新-生産-発展」というスローガンが書かれています。

 「さて、このプロパガンバ看板文化は今後も続くのだろうか・・・」と考えながら歩いていたところでこんなものを見つけました。小学校のプロパガンダ絵画コンクールの様です。私たちが子どもの頃に「火の用心」や「納税」に関する絵を描かされたようなものでしょうか。プロパガンバ看板文化の将来も問題無さそうですね。

 また次の訪問時も新作を楽しみにしたく思います。


2025ベトナム プロパガンダコレクション その2

 お次は「国威高揚」「国力増強」系の看板です。

 先ずは、「南部解放国家統一 50周年」に加えメーデーの138年目を祝う看板です。ホーチミン市をスマートシティへと構築して行きましょうといった内容の看板です。

 類似の看板には下の様なものがありました。1975年の大勝利の価値を促進して、平和で発展し、国際社会に統合されたベトナムにして行きましょうといったことが書かれています。

 デジタル社会への変革を訴える大きな看板もありました。

 下はサイゴン駅に掲げられていたものです。昨年(2024年)末、ベトナム鉄道は株式会社となりまして、その第一期の決意が述べられています。党委員会の全面的な指導の下、絶えず革新し、効果的な協力を促進し、良質な製品を造り、戦略的な鉄道プロジェクトに備えますといったことが書かれています。生真面目ですね。

 学校にもありました。「清潔できれいで安全な校門」というスローガンの下に「先進的な教育に向けたデジタル変革」といった目標も書かれています。「デジタル変革」は至る所で見かけます。

 2月27日の医師の日を祝う看板がありました。国家発展の新たな要求に応えるべく、強力で質の高い知識人を備えるようです。

 「国威高揚」「国力増強」系の看板で今回私が独特で良いなと思ったのがこちらです。国際女性デー制定から115年を記念すると同時に徴姉妹(Hai Bà Trưng)の挙兵から1985年を記念する看板です。絵は完全に国際女性デー向きの内容はありますが、そこに徴姉妹を記念するのが面白いです。女性が強いベトナムならではの看板です。


2025ベトナム プロパガンダコレクション その1

 私はベトナムのプロパガンダ看板が、「真面目なんだけどそんなに堅くなく、人物が『ガロ』っぽい独特のタッチ」という理由で結構好きでして、今回も色々撮ってまいりました。(前回はこちら)今回は何と言っても「南部解放国家統一 50周年」ということでその関連の看板からご紹介いたします。

 先ずは一番よく見たタイプの看板から。南ベトナム解放民族戦線の旗をあしらった4月30日の記念日の告知の看板です。1975年から2025年で50周年であることに加え、「平和・独立・統一」と書いてあります。

 類似の看板にはこんなものがあります。「南部解放国家統一の日」と書いてあります。

 他、勇ましいものにはこんな看板がありました。

 ちなみに「南部解放国家統一 50周年」記念の公式ロゴが下のものでして、このデザインを踏襲したタイプの看板も多くありました。50の数字+平和の象徴「鳩」+統一会堂(独立宮殿)がセットになっています。


 鳩+統一会堂に加え、女性を前面に出したタイプのものもありました。

 勿論、ホーおじさんをあしらった看板もあります。それぞれ「大勝利の喜ばしい日にホーおじさんがいるようだ」と書かれています。

 変わったところではこんな看板もありました。戦没者慰霊の意を示す看板です。「(国のために犠牲になった)殉難者の恩を永遠に覚えておきましょう」といったことが書かれています。

 「南部解放国家統一 50周年」記念系でも、私の好きなタイプのガロっぽい看板が見つかりました。

 子供と兵隊さんの表情が良いですが、何よりサイズ感に疑問が残る、なかなかイイ味の看板です。

 


AI時代を先取り

 AIと書かれたバッグを持った女性です。浮かない顔をされています。

 この絵は「文化ストリート」という商店街の入口に掲げられた看板の絵です。「楽しいお買い物」というキャッチフレーズには反した浮かない顔ですね。

 文化ストリートは宮崎市の中心部にある、戦後の闇市時代からという歴史を持つ商店街とのことです。コの字形の商店街でもう一つの入口はこちらでした。

 閉店されてしまったお店も多く、商店街の中は昭和の時代がそのまま取り残された様な区画もありました。


逆にこのレトロな雰囲気を生かした居酒屋・バー・古着屋さんなどもあり、面白い商店街でした。

冒頭の女性ですが、よくよく見ると風船を手放して飛んで行ってしまったのが浮かない顔の理由の様です。芸が細かいですね。ちなみに右側の女性は私の中学一年時の音楽の先生に似ています。