夏の終わり頃の話になりますが、車を持っている友人を巻き込み「オートレストラン 鉄剣タロー」さんに行って参りました。
オートレストランとはWikipedia先生の言葉をお借りすると
自動販売機による食品の販売及び摂食できる設備を備えた施設のこと。
1970年代、長距離トラックのドライバーなど深夜に食事を摂る客を対象として、主要国道沿いの郊外型店舗が発展した。当初はハンバーガーなどの冷凍食品やカップヌードル、ボンカレーライスの自動販売機を並べ、電子レンジや給湯器で調理させる形式であったが、後に天ぷらそば(うどん)を自動調理する自動販売機なども登場し、食事のバリエーションが豊富となった。また、ドライブインと併設されている所もある。
とのことです。
鉄剣タローさんはハンバーガー、トーストサンド、うどんの自販機が未だ現役という人気スポットでして、その内、ハンバーガーとトーストサンドを食べてみたく行ってみた次第です。
自販機の全景です。そばなど提供できなくなった商品があったり、使えなくなってしまったボタンがあったりしているものの、メンテを重ねながら大事に使われております。
ハンバーガーの自販機とトーストサンドの自販機の告知部のアップです。
中々イイ味出しています。高級感を出そうか、庶民的に行こうかと迷った挙句にどちらでもない道に進んでしまった感があります。
ハンバーガーもトーストサンドも2014年現在、220円で販売されていました。
それぞれの調理中の合図です。
特にハンバーガー側の数字表示は、既に製造が終了しているニキシー管を用いたもののようです。
長らく食べてみたかった一方で実は味には全く期待していなかったのですが、美味しくて驚きました。真面目に作られていることがわかります。またこの値段で提供されている企業努力に頭が下がります。
なお私はチーズバーガーのパッケージがすっかり気に入ってしまいまして、お土産も兼ねてもう2つ余分に買ってしまっています。
鉄剣タローさんの素晴らしいところはこれだけでなく、お店の人のサービス精神がそこかしこに感じられるところにあります。
中でも壊れたUFOキャッチャーの筐体を使い、植物の苗や種を配るコーナーを設けられていたことには、ちょっと感激してしまいました。
店内には脱衣麻雀ゲームや格闘ゲームなども多く並び、男子中高生や長距離トラック・タクシーの運転手など、花には関心をあまり持たなそうな人たちがこの店の主な客層なのだと思いますが、そんなことは関係なしにこのコーナーは展開されています。
また、お惣菜の空きケースに種を入れられている様な飾らないところが、田舎の親戚のようでちょっとグッと来ました。
店内を一通り見学した後、椅子に座ってジュースを飲みながらこの不思議な雰囲気に浸っていると「いらっしゃいませー」「ありがとうございまーす」とお客に声を掛けながらお店の方が現れたのですが、見回りをされた後に商品の補充を始められ、ただでさえ貴重な自販機のそのまた貴重な内部まで見ることが出来ました。
40分くらいの滞在でしたが大満足でした。
鉄剣タローさんはこのまま、文化遺産のようにずっと、そしてそっと残しておいて欲しいお店です。